新しい私の地元は古い友達の故郷

あの子が言ってたことはこれだったんだ

あの子が見てたものはこれだったんだ

新規オープンとともにあの子がバイトに入った荏原町のマックは

貫禄のあるマックになった末去年閉店したよ

 

過去の私が電車から見ていた景色の先に今の私が立って歩いてる

横や上を通りすぎてゆく電車に手を振るよ

ほらあそこに座ってるのはあの日の私

こっちに気づいて こっちを見てよ

だけどあっという間に電車は大井町に向かって行ってしまう

 

未来人が伝えてあげられればよかったんだ

未来人、もっと声がでっかければよかったんだ

あなたは10代でまだ若いのに

まだなにも終わってなんかいないのに

どうしてそんなに悲しく俯いているの

友達たくさんいて素敵ね

今ある幸せはいつか消えてなくなるから

そこでそのままその形でもっといっぱい笑って暮らしてなよ

 

あの子はここを去って土佐に嫁に行ったよ

25で結婚、30までに二人産む夢を叶えたあの子は立派だけど

41で離婚、41で二度目の結婚した私だって結構おつなもんだよ

 

あの頃のあの子は知らない

あの頃の私も知らない

今のあの子も知らない

今のあなたも知らない